①専門性・スキル
上記にも記載した通り、その登記業務の難易度によって、対応できる司法書士と対応できない司法書士がいます。
単に相続手続きや相続登記といっても、個人名義の不動産だけでなく、相続には事業承継等も関連するため、法人にかかる登記も多々存します。
中には、種類株を設定したり、法人の合併や分割等に代表される組織再編等、その難易度は様々です。
また、昨今、普及してきました信託(民事信託、家族信託)等についても、まだまだ経験値のある司法書士は希少であるため、その登記業務の難易度によって、お客様にご紹介する司法書士を決める必要があります。
そもそも、お客様にご紹介する司法書士が、
その案件について、お客様にご紹介できるスキルがあるのか・・・は、司法書士をお客様に紹介するにあたり、最も重要な基準、要素となります。
②報酬
スキルに問題なければ、次に重要なのは、
コスト面、つまり報酬です。
勘違いをされる方が多いので、改めて、こちらでも触れておきますが、司法書士が登記を行う際には、必ず、事前に見積をいただきます。
この見積、見方が分からない一般のお客様がみると、ごく稀に「高過ぎる!」と憤慨される方もいらっしゃいます。
憤慨されないまでも、心のどこかで「高い!」と思われている方も非常に多くいらっしゃいます。
それもそのはずです。その理由は、登記業務の見積には、見積額が数百万、中には数千万という金額が記載されていることがあるからです。
※数千万は、私でも稀です。
但し、それは、見積の見方が分かっていないから。
司法書士の見積は、大きく縦に3つに分かれています。
一番左に業務・報酬項目、真ん中に司法書士報酬、一番右に登録免許税。
よく見ていただくと、一番右の登録免許税が圧倒的に数字が高いんです。勘の良い方は理解されると思いますが、この一番右にある悪意がありそうな迄の金額は、司法書士のポケット(報酬)になるわけでなく、登録免許税という税金であり、司法書士は、お客様からお預かりし、法務局に納めます。
こちらの金額は、登記される内容が同じであれば、どちらの司法書士に頼んでも同じ額です。
そう、ですから、司法書士の報酬は、真ん中の報酬という欄に記載されている金額です。つもり、こちらでお話ししている報酬というのは、正に、ここで説明している見積の真ん中の欄の数字の事です。
極論、簡単な相続登記であれば、相続人ご自身でもできます。但し、非常に大変です。当然、一般の方が登記をしようとすれば、登記の知識、経験もないので、法務局が無料相談所を開設されています。
但し、この無料相談所は1回、20分前後。
専門用語ばかりを並べられます。
知識0(ゼロ)から登記手続きの相談にいくと、専門用語ばかりが並び、とてもではありませんが、1、2回で終わることはまずありません。
もちろん、法務局は平日しか開いておりません。
なので、一般の方が、登記をご自身でなさろうという場合、平日に有休をとって、或いは半休を取って、管轄の法務局まで、足しげく通い、たった20分前後で、返されます。
これを5-6回は繰り返される方がほとんどです。
ですので、費用対効果を考えると、また、後述します他士業との連携を合わせて考えますと、登記は登記の専門家である司法書士に依頼することをお薦めします。
ちなみに当然ではありますが、その登記業務の難易度が高ければ高いほど、作業量が多ければ多いほど、司法書士報酬は高くなり、難易度が低ければ低いほど、司法書士報酬は低くなります。
とはいえ、当社、株式会社brandsが相続登記、贈与登記をはじめ、信託登記等、登記実務を依頼する、つまりお客様にご紹介する司法書士は、報酬額もきちんと見た上でご紹介をしています。
当社、株式会社brandsでは、前述の通り膨大な量の相続案件の相談をいただきますため、当然、膨大な相続登記、贈与登記をはじめとする司法書士の登記業務について、お客様に司法書士をご紹介しています。
その中で、強く感じるのは、
登記業務を数多くこなされている司法書士は、
同じ何度であれば、報酬が安い傾向にあります。
理由は簡単で、毎日、毎週、毎月のように
依頼を受ける登記業務が多いので、
1案件あたりに受領する登記報酬が多くなくとも問題ないこと、そして、依頼を受ける件数が多いため、司法書士が、自ら案件受任に対して、登記業務を受任するために、どこかに営業に行ったり、広告を打ったり、他士業を接待する必要がなく、余計な
コスト、交際費、時間をかけなくて済むからです。
ですので、株式会社brandsでは、その登記業務の難易度を見据えたうえで、極力、お客様の負担となる司法書士報酬についても、よく吟味した上で、適当である司法書士を選定し、ご紹介させていただいております。
③他士業との連携
また、こちらの点も非常に重要な要素となりますが、相続手続きや、相続対策を行う上で重要なのは、他士業との連携です。
税務上のディスカッション、法的なディスカッションを税理士、弁護士とともに行う必要があったり、相続手続きであれば、ここに各種手続きの代行として、行政書士の先生も入ってきます。
この専門家同士でのディスカッションや必要となる書類の作成、公的証明書等の取得、デリバリーにいたっても比重に重要であるため、他士業との連携がうまく取れる司法書士か、あえて言うならば、既に依頼をしている税理士、行政書士、弁護士と既に業務をされたことがある司法書士であるか否かは非常に重要なポイントです。
この連携がとれない司法書士が業務受任をされると、専門家同士のコンタクトが思うようにいかず、相続手続き全般、相続対策全般に大きなひずみが生じ、
「こんなはずじゃなかった・・・」や、
「やっぱり、司法書士は、いつもの〇〇先生じゃないとな・・・」
という事が他の士業から漏れてきます。
これによって、想定外の支出が生じることもありますので、重要な要素に挙げられます。
④フットワーク
一般的には、フットワークは非常に重要な項目、要素として、上げられるべき内容であると思いますが、こと、相続登記、贈与登記については、上記3項目と比較しますと、そこまで重要視はされません。
あまりにも、フットワークが悪いと考えものですが、そこまでフットワークが悪ければ、そもそも司法書士としての業務が回らないので、そこまで気にするところではないと思います。
ただ、相続、贈与、事業承継のコンサルティングを行う中では、様々な提案を行います。
もちろん、その提案する選択肢については、その全てについて、何をしたら幾らのコストが必要で、どれだけのメリット、効果が生じるか・・・迄を吟味した上での提案、ディスカッション、選択となりますので、登記見積を依頼したからと言って、実際にその見積を依頼した業務全てにおいて依頼するわけではありません。
そのような観点からも、1つの案件において、複数の見積を様々なパターンで見積作成をいただく必要があったり、各々の登記業務において、注意点や必要書類等についても、レクチャーが必要となるため、そのようなフットワークの軽さ、順応性、配慮といった意味でのフットワークは、司法書士の選定、紹介といった意味でも、重要な要素となります。